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共同通信
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LGBTなど性的少数者への理解増進法案は15日の参院内閣委員会で、自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数により可決された。16日の参院本会議で可決、成立する。性的指向にかかわらず人権を尊重し、不当な差別はあってはならないとの基本理念を規定。一方、与党と維新、国民民主4党の修正で「全ての国民が安心して生活できるよう留意する」と多数派に配慮する条項を設けた。当事者団体は「差別の温存だ」と懸念し、立憲民主、共産両党などは法案に反対した。
与党修正案は法律の目的として、性的指向の多様性に関する国民理解を増進し、多様性を受け入れる寛容な社会の実現を掲げた。
21年に与野党で合意した「性自認」の表現は「性同一性」とも訳される英語の「ジェンダーアイデンティティ」に改めた。ただ各地の自治体は「性自認」を用いた差別禁止条例を制定済み。混乱を招きかねないとの指摘が出ている。
多数派配慮の条項では、政府が運用に必要な指針を策定するとした。性的少数者が本来得られる権利まで抑制される恐れが懸念されている。