17年から中国に複数メール

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共同通信

 茨城県つくば市の国立研究開発法人「産業技術総合研究所」の研究データ漏えい事件で、警視庁公安部に逮捕された上級主任研究員で中国籍の権恒道容疑者(59)=同市=が、遅くとも2017年以降、中国の化学製品製造会社に複数回メールを送っていたことが17日、捜査関係者への取材で分かった。

 権容疑者は18年4月にフッ素化合物に関連する研究データを同社にメール送信した不正競争防止法違反容疑で逮捕された。公安部は他にも漏えいした情報がなかったか調べる。

 送信先の会社が、フッ素化合物の関連製品を扱っていたことも判明した。流出した研究データが実際の製品開発につながり、中国側に経済的なメリットをもたらしていた可能性がある。つくば市にある日本代理店は、権容疑者の妻が代表を務めていた。