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共同通信
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海運業の労働者らで組織される労働組合「全日本海員組合」(東京)の森田保己前組合長(57)が東京国税局の税務調査を受け、2020年までの6年間で計約6億円の申告漏れを指摘されていたことが20日、関係者への取材で分かった。組合の関連団体の基金を私的流用するなどしていたが申告していなかったという。追徴課税は重加算税や過少申告加算税を含め、約2億円以上とみられる。
関係者によると、森田氏は組合関連の財団法人が管理する外国人船員の研修などの福利厚生に充てる基金の一部を使い、貴金属や高級腕時計を購入しており、東京国税局は実質的な給与とみなしたとみられる。
基金の原資は組合と労働協約を結んだ船舶に乗る外国人船員の組合員が拠出したもの。内部の規定では使途の詳細について組合員への報告義務はなく、管理が不十分な状況が続いていたという。
また森田氏は組合の代表部があるフィリピンで、船員向けの宿泊施設などを建設した際に、現地の業者からのリベートを自身の海外口座で受け取っていたことも税務調査で判明した。