千葉、武蔵野銀に改善命令へ

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共同通信
金融庁=東京都千代田区霞が関

 金融庁が、千葉銀行と傘下のちばぎん証券(いずれも千葉市)、武蔵野銀行(さいたま市)の3社に、近く金融商品取引法に基づく業務改善命令を出す方向で最終調整に入ったことが20日、分かった。「仕組み債」と呼ばれる高リスクの金融商品を、顧客の資産や投資方針を十分に確認せずに販売するなどの違反行為があった。適切な販売態勢やガバナンス(企業統治)の整備を求める。

 千葉銀と武蔵野銀は提携しており、それぞれ自行の顧客に利回りが高い仕組み債の購入を勧め、ちばぎん証券を購入先として紹介していた。両行の行員の収益目標に、ちばぎん証券が仕組み債の販売で得られる収益が含まれていることから、顧客目線での販売がおろそかになったとみられる。

 仕組み債は商品性が複雑で高い利回りが見込める一方、株式相場が下落すると元本を大きく損なう恐れがある。多くの地方銀行が販売していたが、顧客とのトラブルが多発し、金融庁が問題視していた。大半の地銀が販売を停止しており、ちばぎん証券も現在は取り扱っていない。