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創業1854年の老舗パブ、マンハッタン区イーストビレッジのマクソリーズの「名物店主」として知られたマティ・マーさんが11日、肺がんのため亡くなった。80歳だった。ニューヨークタイムズが13日、報じた。
1964年、当時の店主ドロシー・カーウィンと夫がアイルランドのキルケニーに旅行中、乗っていた車がパンクした。それを修理したのが偶然通りがかった25歳のマーさんだった。お礼にマクソリーズでの仕事を約束され同年、ニューヨークへ。バーテンダーから叩き上げ、77年、カーウィン夫妻の息子から店の権利を建物ごと買い取り、店主となった。
「うまいエール、生タマネギ、女人禁制」が店のうたい文句だったが、70年に公共の場での性差別を禁じる市条例が発効して「女人禁制」を削除。それでも女性用トイレを作ったのは86年だった。市条例で店内禁煙を余儀なくされ、破産ギリギリまで追い詰められるなど、波乱万丈の経営だった。
ジャーナリストのラフェ・バーソロミューは、マクソリーズについての回顧録の中で、気性が激しく直情径行なマーさんを「点火プラグ」と呼んだ。数年前に引退したが、店の伝統を守ることに余生を捧げ、おがくずを敷いた床や奇術師フーディーニの手錠など壁に飾られた記念品を守った。「人は何になったかではなく、何を乗り越えてきたかで決まる」がモットーだった。店は娘のテレサさんが継いでいる。
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