6月24日 編集後記 “バベルの塔、タイタニック、タイタン。歴史は繰り返される???”

 


6月24日 編集後記

“バベルの塔、タイタニック、タイタン。
歴史は繰り返される???”

 

編集部が気になった1週間の出来事

14人が撃たれ、5人死亡 市内で9件の銃撃事件
同日に9件、10代の死亡者も出た悲惨な銃撃事件。ここは銃社会のアメリカだと改めて気を引き締めた。(編集部 I)

MTA、負債480億ドルが経営圧迫 コロナで利用者激減、存続に不安
安心・安全に利用するために経営を立て直し、公共交通機関には資金を投入してもらいたい。(編集部 W)

NY市家賃委、最大6%の値上げ案可決 アダムズ氏、決定を支持
2年連続で過去10年間で最高の値上率。NY市に住む約1/4が影響を受けると言われている。(編集部 A)

 

編集後記   “バベルの塔、タイタニック、タイタン。歴史は繰り返される???”


皆さん、一週間お疲れさまでした。今週水曜日には、正式に夏が始まり、子供たちの学校も今週途中から夏休みに入ったせいか、今週は、時間の流れが少し遅くなったように思いました。

今週も、地下鉄内での傷害事件市内での銃撃事件といった物騒な記事や、家賃値上げ電気代値上げなど生活に直結するインフレの記事などもありましたが、タイタニック号見学ツアー用潜水艇タイタンの悲劇には、驚きましたね。

また同ニュースをアメリカ・メディアが、連日のように取り上げていることにも驚きました。そもそも、一回3,500万円($250K)もの費用を払って、この見学ツアーに参加する理由に関して、“歴史を感じ、悲劇を感じられるからだ”と、 映画「タイタニック」の監督であり、自身も33回もタイタニックの残骸を見に行っているジェームズ・キャメロン氏が語っていましたが、改めてタイタニック号の持つ不思議な魅力を感じざるを得ませんでした。

この事故が起こる前の、先週末の日本からのフライトで、巽孝之さんからいただいた『慶應義塾とアメリカ』を拝読させていただいたのですが、同著で、巽さんは“タイタニック号難破はあたかもバベルの塔の再来であるかのように、(中略)二十世紀人の無意識に刻み込まれた”と書かれておられました。キャメロン監督もタイタニック号事故と今回の事故の類似性(どちらも警告に十分耳を傾けなかったこと)を挙げておられることを考えると、今回の事故を通じて、科学的原因はあるものの、改めて、歴史における“見えざる手”の存在を意識するとともに、自分と“自然”とのパワーバランス、歴史における“時間”、“流れ”というものも再認識する機会となりました。これらも、今週の時間の流れを遅くした理由かもしれません。。。(ちなみに、巽さんの同書の中には、同事故が与えた世界的文学への影響や日本文学への影響も書かれており、非常に面白かったです。)

と、そんなことを思っているうちに、もっと“NYでの日々”を楽しまねばと気持ちになってしまいました。(夏休みですし。。。)最近、DAILYSUNでは、毎日“NYイベント情報”を載せていますが、NYは本当にイベントが多いですね。特に、無料のものが。我々もなかなかイベントを選ぶのが大変なぐらいで、最近のものでも、例えば、Bryant Parkでは毎週月曜に無料ムービーナイトが、Hudson Yardsでも毎週水曜に無料コンサートが、Lincoln Centerでは夏の無料イベントが開かれています。

皆さんも日々お忙しいとは思いますが、せっかくのNY、せっかくの夏休みですし、お子さんも一緒にご家族で(もしくは、たまには一人で?)、少しゆっくりとした時の流れに身をまかせてみるのは、いかがでしょうか?

ではよい週末をお過ごしください。

編集部より


今週の1枚

夏の夕暮れ。コロナ前のマンハッタン・リバー・クルーズにて。


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