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共同通信
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紛争地などで活動する国際組織「国境なき医師団(MSF)」のクリストス・クリストゥ会長(48)が26日、東京都内で共同通信の単独インタビューに応じた。戦闘が続くアフリカ北東部のスーダン情勢を巡り「簡単に助けられる命も助けられなくなる」と危機感を表明し、国際社会に支援の拡充を訴えた。
スーダンでは、国軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の戦闘が2カ月以上続く。多数の避難民が出る中、停戦合意は繰り返し破られ緊迫した状況に陥っている。多くの支援団体が退避したが、MSFは外国人職員も含め国内12州で活動している。
クリストゥ氏は、戦闘の激化で医療施設が機能不全に陥り、外科手術が必要な患者が増えていると指摘。子どものワクチン接種など初期医療への影響も大きく「病院へのアクセスが妨げられている」と事態の深刻さを強調した。
国軍やRSFの兵士が各地の検問所で職員の通行を許可しないなど、活動への妨害が「ほぼ毎日のように行われている」と非難した。