日本警察がウクライナ支援

Published by
共同通信
ウクライナ東部ハリコフ州イジュムの住宅の庭に埋葬された遺体を引き上げる捜査員ら=4月(共同)

 ロシアの侵攻で犠牲になり、ウクライナ各地に埋葬されている遺体の身元特定を進めるため、同国国家警察で検視などの実務を担当する約10人が来日し、東日本大震災で膨大な検視と身元確認の経験を持つ日本警察から研修を受けることが29日、警察庁への取材で分かった。日本警察による初のウクライナ支援で、10人は7月10日にも来日する。

 日本警察は今年2月末までに岩手、宮城、福島の3県で1万5830人の検視を終え、うち99.7%の身元を確認。10年を超えて積み重ねた震災犠牲者の身元特定の経験が、ウクライナ復興に生かされることになる。

 ウクライナ側の情報によると、同国内の身元不明遺体は約2万体。警察庁の担当者は「(大規模検視の)数という意味では日本警察は経験値があり、支援は当然と考えている」としている。

 国連開発計画(UNDP)を通じウクライナ側から「膨大な遺体の身元を特定した経験を教えてほしい」と在ウクライナ日本大使館に連絡があり、6月上旬にUNDPの職員らが打ち合わせのため来日、今回の支援が実現した。