移民の生徒のために、英語と英語以外の言語で授業を行うバイリンガルプログラムを導入するニューヨーク市の学校で、教師の数が不足しているという。
市にはバイリンガルプログラムを導入する学校が約160校あるが、授業の数に対し有資格の外国語教師は少なく、教師の獲得に悪戦苦闘している。DNAインフォによると、マンハッタン区ローワーイーストサイドの第20公立校では教師不足のため、5年生を担当する中国語の教師と4年生を担当する英語の教師が日替わりで複数のクラスを教えるといった状態が過去数カ月にわたって続いており、生徒の学習環境に影響を与えると保護者から苦情が出ている。
市教育局(DOE)の広報担当ユリディア・ペニャ氏は、「より多くのバイリンガル教師を採用するよう、従来の大学の資格取得プログラムやそのほかのルートを通じてさらなる努力を続けている」と語った。しかし、ニューヨーク大学スタインハート校の教師ローザ・リッチオ・ピエタンザ氏は、「有資格の外国語教師を国外から呼ぶにはビザのスポンサーが必要だが、DOEは費用を出さず、各校に費用負担を強いている」と指摘した。
DOEは昨年、バイリンガル教育のモデル校として指定された十数校に、教材や教師への特別教育プログラムに充てる費用として、1万ドル(約120万円)を支給することを発表している。