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共同通信
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日本郵政は29日、2023年4~6月期決算で、保有する楽天グループ株を巡って800億円規模の損失を計上する最終調整に入った。楽天グループの株価が携帯電話事業の不振で大幅に下落し、資産としての評価を減らす必要に迫られた。提携効果にも狂いが生じている。
日本郵政はかつてオーストラリアの物流会社の大型買収に失敗して5千億円近い損失を出した経緯がある。楽天グループへの出資判断が適切だったのか問われかねない状況だ。
日本郵政は21年3月、楽天グループの第三者割当増資に応じて1500億円を投じた。楽天グループ株の終値はこのところ500円を下回る日もあり、日本郵政が出資した当時の3分の1程度に低迷。取得した株価の50%を下回った場合などに損失を計上するルールに基づいて会計処理する。
楽天グループは赤字決算が続いている。原因は携帯事業だ。基地局整備に伴う巨額の投資負担で、グループの財務基盤が悪化。23年5月に公募増資などによって約3千億円を調達し、新料金プランも打ち出したが、株価は下げ止まっていない。