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共同通信
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【ニューヨーク共同】米最高裁が29日に大学の積極的差別是正措置(アファーマティブ・アクション)を認めないと判断したことを受け、黒人の学生団体は「われわれの存在を抹消する行為だ」と反発した。保守派は是正措置で優遇されない学生が「平等に教育を受ける機会を否定されてきた」と改めて批判し、最高裁の判断を歓迎した。
ハーバード大の黒人学生でつくる団体は「深い失望」を表明した。「人種は私たちの経験、見方、自己認識に深く影響している」と指摘し、人種を考慮しなければ入学選考での正当な評価はできないと非難した。
人権団体の全米市民自由連合(ACLU)は今後も「構造的な人種間の不平等」に対処する必要があるとして、各大学に対して教育サービスが行き届いていない地域の学生を受け入れ、金銭面での支援を充実させるよう求めた。
保守系シンクタンク、ヘリテージ財団の上級研究員らは声明で、大学の是正措置を「学生を資質と経歴、努力でなく肌の色で評価する差別的な施策」と切り捨て、最高裁の判断は「人種で差別しない教育にとっての大きな勝利だ」と強調した。