10億円融資、連帯保証を偽装か

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共同通信
バイオマス事業を巡る連帯保証契約の構図

 バイオマス発電事業を巡り、融資金10億円の連帯保証契約を偽装されたとして、東京の鉄鋼建材商社「伊藤忠丸紅住商テクノスチール」が警視庁に相談していることが4日、関係者への取材で分かった。融資を受けたコンサルタント会社の実質的オーナーを兼ねていた、テクノ社の元土木建材部長が架空の取締役会議事録を作成した疑いがあり、刑事事件に発展する可能性がある。

 コンサル会社は再生可能エネルギー関連事業を手がける「JEP」(東京)。問題発覚後のテクノ社の調査で、元部長が実質的に経営していたことが判明し、元部長は「自分の事業に必要な資金だった」という趣旨の説明をしているという。

 JEPは「大分市の山林を開発して木質ペレットなどを燃料にする発電施設を建設する」という計画で、「クラウドバンク・フィナンシャルサービス」(東京)に融資を申し込んだ。

 テクノ社はこの計画を把握せず、もともと再生可能エネルギー事業とは無関係だったが、元部長が独断で融資の連帯保証契約を進めた。