認識する性別で施設利用を 市がトランスジェンダー配慮の条例

 ニューヨークのビル・デ・ブラシオ市長は7日、トランスジェンダーの人々が自分の認識する性別でトイレやロッカールームなどの施設を利用することを認める条例を制定した。
 ABC7ニューヨークなどによると、今回の条例により、市におよそ2万5000人いるとされるトランスジェンダーの人々が、市役所を含む市が所有する全ての建物、公園、プール、レクリエーション施設、一部のミュージアムなどを、性別が分かる身分証を提示することなく利用できるようになる。市に男女共用施設の新設は命じられておらず、トランスジェンダーの人々が性別を気にすることなくトイレなど市の施設を利用できるようにすることを目的としている。
 この問題については全国的に議論が繰り広げられてきたが、ニューヨーク市を含む全米20の大都市のほとんどでは、同様の市または州の差別禁止法が定められている。
 テキサス州ヒューストン市では昨秋、トランスジェンダーの人々を性差別から保護するための条例が投票により無効化されている。一方サウスダコタ州では先週、トランスジェンダーの生徒でも生まれながらの性別に合致したトイレやロッカールームを利用するようにと定めた全米初の州法案を、知事が否認している。