マンハッタン区ソーホーの高級ホテル「トランプ・ソーホー」の従業員が昨年2月、チップを横取りされたとしてトランプ氏や娘のイバンカさんなどを相手取り、サフォーク郡の高位裁判所に訴えを起こしていたことが明らかになった。DNAインフォなどが7日報じた。
同郡に住む原告のデボラ・ガルシアさんは2013年、次期大統領選共和党指名候補として有力視されている実業家のドナルド・トランプ氏が経営する同ホテルで、時給15ドルで宴会場のケータリングスタッフとして働いていた。同ホテルは09年2月から、請求金額に22%のサービス料を自動的に加算していたが、このサービス料がチップとして従業員に支払われることはなかったという。
ニューヨーク州の労働法では、雇用主が従業員へのチップを受けることは禁止されており、また、宴会や特別なイベントの際に加算されるサービス料がチップと異なる場合は、12ポイント以上の大きさの文字でメニューや請求書に明示することが義務付けられている。しかし、同ホテルのメニューや請求書にはこれについての記載がなく、客はチップを支払ったものと勘違いしてしまうという。
訴えに対しホテル側は、「原告は業者からの派遣員で、同ホテルの直接の従業員ではなかったため、責任は業者にある」との声明を発表している。