9日付のニューヨーク・デイリーニュースによると、雑誌「プレイボーイ」や1990年代に大ヒットしたテレビドラマシリーズ「ベイウォッチ」で脚光を浴びた女優でモデルのパメラ・アンダーソンさんが8日、ニューヨーク州の刑務所の食事をビーガン(完全菜食主義)にする提案文書を、アンドリュー・クオモ知事に送った。
動物保護団体PETAの名誉理事を務めるアンダーソンさんは、刑務所食を豆類や米、パスタ、イモ類、野菜、果物に変えれば、少ない費用で受刑者らに充分な栄養を提供でき、刑務所改革と州の予算削減が同時に行えると主張している。また、この提案を導入する際は、調理や配膳の手伝いに駆けつけると申し出ている。
アンダーソンさんは、提案を受け入れた約8000人の受刑者を収容するアリゾナ州のマリコパ郡刑務所で27万3000ドル(約3000万円)の予算削減を成功させた例を挙げ、「ニューヨーク州には約5万2000人が収容されているが、食事をビーガンに変えれば受刑者の健康改善にもつながり、年間200万ドル(約2億2600万円)の予算削減が可能になる」と、主張している。
一方、知事の広報担当は、刑務所改革については知事が担当する、と申し出を丁重に断った。州議会議員下院矯正委員のダニエル・オドンネル氏は、大量に一括調理される刑務所食は1食あたり約1ドル25セント(約140円)とわずかで、この提案を「ばかげている」と一蹴した。