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共同通信
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岸田文雄首相は、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を巡り、今月中にも全国漁業協同組合連合会(全漁連)の坂本雅信会長と面会する方針を固めた。安全性の確保と風評被害対策を徹底するとの方針を政府の長として直接伝え、理解を要請する。面会結果も踏まえ「夏ごろ」としている放出開始の時期を判断する構えだ。政府関係者が15日、明らかにした。
坂本氏は14日、西村康稔経済産業相から放出に関して説明を受けた後「反対の立場を崩すわけにはいかない」とする一方「科学的な安全は一定程度理解できた」と述べた。首相は自ら決意を示すことで歩み寄りを引き出す余地があるとみて面会を判断したとみられる。
政府と東電は2015年、処理水について「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない」と福島県漁連に約束した。
面会は、首相が中東歴訪から帰国する19日以降となる。