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共同通信
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【ニューヨーク共同】国連安全保障理事会は18日、人工知能(AI)を協議する初の公開会合を開いた。軍事利用や虚偽情報の拡散といったリスクの管理に向けた国際協調の必要性を訴える声が相次いだ。日本と欧州の理事国はAIを活用する上で民主主義と人権の尊重を重視。中国とロシアは欧米主導の議論をけん制し、溝が露呈した。
議長を務めたクレバリー英外相は「AIの影響を受けない国はない」と述べ、各国の政府や企業の連携を求めた。国連のグテレス事務総長は、犯罪者やテロリストに利用される可能性に触れ「安保理には切迫感を持って対処してほしい」と要請した。
専門家らが現状を報告。米AI企業アンスロピックの共同創業者ジャック・クラーク氏は、AIが開発者も想定できない使われ方をする恐れがあるとして「開発を民間任せにしてはいけない」と強調した。
会合では政治的な対立が影を落とした。専制主義の中国とロシアを念頭に、米国のデローレンティス国連次席大使代行は「どの国も検閲や抑圧のためにAIを使うべきではない」とくぎを刺した。