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共同通信
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実効支配するクリミア半島と本土を結ぶクリミア橋が昨年10月に次ぎ2度目の攻撃を受けたロシアで、ウクライナへの強硬論が高まっている。「民間インフラを狙ったウクライナのテロ行為」との治安当局の発表を受け、上下両院議員らは南部の主要都市オデッサ、ミコライウの制圧や首都キーウ(キエフ)への攻撃が必要だと一斉に主張。報復を口実にロシア軍が都市部への攻撃を強化する可能性がある。
ケルチ海峡に架かる全長約19キロの長大な橋をミサイルや無人機(ドローン)攻撃から完全に守るのは不可能に近い。新たな攻撃を防ぐには半島に近い南部のウクライナ軍拠点や、軍を指揮する政権の中枢をたたくしかないとの議論だ。
ロシア上院国際問題委員会のジャバロフ第1副委員長は17日、半島が面する黒海をウクライナから遮断しなければ「攻撃が繰り返される」と指摘。沿岸有数の港湾都市オデッサと造船業が盛んなミコライウを制圧し、ドネツク州など東部・南部4州と同様、ロシアに併合すべきだと主張した。