共同通信
相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で19人が犠牲になった殺傷事件から7年となる26日、大阪で追悼集会とデモ行進が予定されている。今年で8回目。毎年、梅田の街頭で続けてきたが、今回は難波の元町中公園に集合し、午後7時からデモ行進する。
企画した1人は、大阪を中心に障害者の身体表現を追求するパフォーマンス集団「態変」主宰の金滿里さん。自身も子どもの頃にポリオにかかり全身まひとなった。ヘイトクライム(差別を背景とした憎悪犯罪)の根絶を訴える金さんに話を聞いた。
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事件が起きた時、ついに優生思想を内面化した健常者がやったのか、起こってしまったかと、客観視しなければやっていられなかった。しかし、自分事としてテレビから目が離せない。容疑者がカメラ目線で笑う映像が何度も流れた。亡くなった19人は一部しか氏名を公表されず、加害者の思想ばかりが宣伝されていると感じた。
私は地域で自立生活をしているが、夜道を介護者と歩いている際、通りすがりの男性から悪態をつかれた。これまでになかったことで、恐怖を感じる。施設で暮らす障害者も、職員が殺意を持っていないかと恐怖を感じることがあるのでは。日常の風景ががらっと変わった。7年たっても払拭できていない。
事件は障害者を対象にした大量殺人で、ヘイトクライムだ。これを手本に在日コリアンやLGBTQ(性的少数者)に対しても「やってもいい」という認識につながっていないか。国がヘイトクライムを毅然と非難する声明を出していないことが一番の要因だ。これからは絶対に起こさせないように努力しますと政府が断言しなければ、ヘイトクライムを受け入れることになる。
デモでは、亡くなった19人を連れて雑踏でうろうろするイメージを描きたい。施設で亡くなったみんなを連れて、本来みんなが暮らすべき町の中へ繰り出すつもりだ。