22日付のフォックス5によると、ニューヨーク州議会下院は同日、プロの総合格闘技(MMA)を合法とする法案を113対25で可決した。
アンドリュー・クオモ知事は以前から、総合格闘技の興行の合法化を支持しており、州議会上院は既に同様の法案を可決させている。だが下院は、2007年に一旦可決したものの、暴力的過ぎるとして合法化を躊躇していた。また、一部からMMAはフットボールやボクシングと同様、脳挫傷や頭部損傷などの危険性があると指摘され、家庭内暴力の誘発や、子どもがまねをすることなどが懸念されていた。
これらの声に対応するため、同法案では選手の保険加入を義務付け、試合中に負傷した場合の傷害保険金額を5万ドル(約560万円)に、また生命にかかわる脳損傷を受けた場合の保険金額を100万ドル(約1億1230万円)に引き上げた。さらに、致命傷を負った選手の遺産承継人に5万ドルを支払う規定も追加された。
同法案の提案者である州下院議員ジョセフ・モアール氏によると、アマチュア選手の試合にも同法が適用されるという。
レスリングとキックボクシング、柔道を取り入れたMMAの試合は、ケージなど閉鎖された空間で行われ、一方の選手がノックアウトされるか敗北を認めるまで戦う。また、どちらも倒れない場合には、15分または20分経過後に審判の判断により勝敗を決める。
同州は、プロのMMAを違法とする全米で唯一の州だった。