保育の危険、100件収集

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共同通信
2022年9月、3歳の女児が置き去りにされ、熱中症で死亡した静岡県牧之原市の「川崎幼稚園」の通園バス。

 政府は全国の保育所や幼稚園で起きた子どもの置き去りなど、命の危険につながりかねない事例(ヒヤリ・ハット)計100件を収集し、初の事例集を作成した。通園バスによる送迎、散歩中といった発生状況や原因をケースごとに詳しく分析。保育現場で共有し、重大事故を未然に防ぐのが狙い。

 こうした事例が相次ぐ背景には現場の人手不足もあるとされる。政府は「次元の異なる少子化対策」で保育士の配置を手厚くする方針を決定。保育の質向上を目指す。

 重大事故に至らなかったヒヤリ・ハット事例は、自治体への届け出が必要ないため、注意点などの共有が不十分だった。政府は昨年9月に静岡県で起きた通園バスの3歳女児置き去り死をきっかけに、調査に着手。昨年12月~今年3月、保育所や幼稚園、認定こども園などの関連団体、自治体が独自に把握しているケースを収集した。

 事例集にはおおむね過去5年間に把握された計100件を掲載。発生場所の内訳は「送迎バス」7件、公園などの「園外」25件、「園内(室外)」29件、「園内(室内)」39件だった。