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共同通信
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【北京共同】中国の秦剛国務委員兼外相の動静が途絶えて約1カ月。新型コロナウイルスに感染したと報じられた上、女性問題で調査を受けているとも伝えられたが政府は説明を避け、失脚説を含めて臆測が噴出。軍でも幹部が姿を消したと異変が伝えられ、習近平指導部の政治の不透明さを浮き彫りにしている。
最後に動静が伝えられたのは6月25日の日曜日。ロシア、ベトナム、スリランカの高官と相次ぎ会談したと外務省が発表した。7月中旬にあった東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会合は外相が参加するのが通例だが、外務省は11日、秦氏は体調が理由で出席しないと明らかにした。
10日付香港紙は秦氏が新型コロナに感染したと報道。これと前後して香港フェニックステレビの女性ジャーナリストとの不倫疑惑が浮上した。女性はSNSで最近出産したと投稿。父親は秦氏ではないかとの臆測が飛び交った。台湾紙は15日、秦氏が共産党中央規律検査委員会に事情を聴かれていると報じた。「外相交代が検討され始めた」(中国筋)との観測も出ている。