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共同通信
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【マドリード共同】「民主主義の手本だ」「誇りに思う」―。23日のスペイン総選挙は、中道右派の野党、国民党が第1党となったものの、反移民の極右政党ボックス(VOX)と連立を組んでも過半数に届かず、政権樹立は難航する見通しとなった。今後の展開は読めない状況で、与野党の両陣営が“勝利宣言”をし、けん制し合った。
「われわれに投票してくれた人々は、手本となる民主主義を示してくれた」。穏健左派の与党、社会労働党を率いるサンチェス首相は結果を受け、支持者らに笑顔で「ありがとう、ありがとう」と繰り返した。
集まった支持者らは歓声で応え、リベラル色の強い同党らしく多様性を表す虹色の旗が揺れた。
国民党のフェイホー党首も支持者らの前に現れ「勝利を祝福する人々を見て誇りに思う」と語り、猛暑の中で投票に駆けつけた支持者らに感謝の言葉を投げかけた。
一方、国民党やボックスは当初の予想ほど議席数を獲得できなかった。ボックスへの国民の根強い抵抗感があるとみられる。