3月29日付のエーエム・ニューヨークによると、男性が死亡した昨年12月のエレベーター事故で、ニューヨーク市住宅局(NYCHA)がエレベーターの故障を事前に把握していたことが、市捜査局(DOI)が同日に発表した報告書から明らかになった。
ブロンクス区にある高齢者用公営住宅ボストンロードプラザ・シニアビルディングで昨年12月24日、オレガリオ・パボンさん(当時84)がエレベーターに乗ろうとしたところ、突然エレベーターが上昇を始め、落下したパボンさんは死亡した。NYCHAは事故が起こる90分ほど前、ビルの住人からエレベーターが正常に作動しておらず危険であるとの連絡を受けていたが、対処しなかったという。また、捜査を開始したのも事故から4日後だった。
ことしに入ってからも、同区にある別の低所得者向け公営住宅で、住人が1時間以上エレベーターに足を挟まれるという事故が起きている。事故が起きたどちらのエレベーターにも、ブレーキが適切に作動しない場合にエレベーターを停止させるブレーキモニターが設置されていたが、正常に機能していなかったという。
DOIは、全てが正常に作動しているかどうかを毎月点検するなど、安全の徹底を勧告しており、NYCHAでは、ビルの検査員の増員や条例の改正を計画している。