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共同通信
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米軍による原爆投下から78年となった6日、広島市の平和記念公園には、夜明け前から多くの被爆者らが訪れた。「二度と戦争を起こしてはいけない」「安らかに眠って」。今年も亡き人を思い、手を合わせた。
「地獄だった」。広島市の横山ヨシエさん(94)は、当時女学校2年生で爆心地から約8キロ離れた工場にいた。「(市中心部から)トラックで亡くなった人やけが人がたくさん運ばれてきた。みんな皮膚が垂れ下がっていた」と振り返る。
3年前に亡くなった夫も、原爆で両親と幼かった弟を亡くした。「戦争は絶対にいけん」と強い口調で話した。
けが人を看護する中で自身も被爆した中島初江さん(91)=同市=は「水、水」とうめく人びとの声が今も耳にこびりついている。「安らかに眠ってほしいと祈った。この時代に同じようなことを繰り返してはいけない」と訴えた。
原爆が投下された午前8時15分には、平和記念式典に参列した被爆者や遺族、市民らが一斉に黙とうをささげた。