旅客機で“広い座席”実現せず 連邦上院議会で否決

 8日付のニューヨーク・ポストによると、米連邦上院議会は7日、旅客機の座席サイズの最小限を定める法案を54対42で否決した。
 現行の連邦法では、旅客機の座席サイズを定める規定はなく、緊急時に乗客が90秒以内に脱出することが可能であれば、座席数をどれだけ増やしても構わないことになっている。座席幅の平均は1990年代の18.5インチ(約47センチメートル)から、現在は17インチ(約43センチメートル)に狭まり、体の大きい乗客には厳しい状況となっている。また、前の座席までの距離の平均は、35インチ(約89センチメートル)から31インチ(約79センチメートル)に縮小され、多くの航空会社は、追加料金を払えば足元が広めの座席に座ることができるというオプション式を採用している。
 同法案の提案者であるニューヨーク州選出民主党上院議員チャック・シューマー氏は、「旅行者からの最も多い苦情は狭い足元と座席幅についてだ。残念なことに議会では多くの議員が、この問題を無視することを選んだ」と述べた。また、航空会社は旅客をすし詰め状態にして、運賃を下げるどころか、いくつかの主要航空会社では、以前は標準だったサイズの座席を足元が広めの座席として追加料金を取るなどして、乗客をだましているとも批判した。