Published by
共同通信
共同通信
エステサロンでの脱毛で、やけどなどの健康被害が相次いでいる。国民生活センターへの相談は10年間で千件を超え、客にやけどをさせた経営者が摘発される例も。業界関係者は施術者の知識不足や、安全性を担保する基準の曖昧さが背景にあるとして、被害防止の仕組み作りを求めている。
「皮膚がずるむけの状態に」。2016年、エステで脱毛した岐阜県の30代女性がセンターに相談した。激痛を感じたが、店員は「痛い方が効果がある」と説明。痛みは引かず、脱毛が原因のやけどと診断された。
日本エステティック振興協議会(東京)によると、脱毛は皮膚に熱を加えて毛の再生能力を弱らせるもので、特定の範囲に強い光線を当てる「レーザー脱毛」や、広範囲に光線を当てる「光脱毛」などがある。
センターによると、エステの脱毛の健康被害相談は13~22年度に計1355件で、協議会の光脱毛の指導責任者浦能久氏は「光脱毛は医師資格が不要で、知識不足の施術者が一定数いる。曖昧な基準も被害を招いているのでは」と話す。