処理水放出でIAEA支持

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共同通信
ウィーンで開かれたNPT再検討会議の第1回準備委員会の会合=10日(共同)

 【ウィーン共同】ウィーンで開かれている核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第1回準備委員会のビーナネン議長は10日、総括草案を加盟国に示した。外交筋によると、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出計画に関し、国際原子力機関(IAEA)が包括報告書をまとめていることを挙げ「IAEAの関連の取り組みを強く支持する」と表明した。

 準備委では中国が処理水放出に反対姿勢を示したが、草案には盛り込まれていない。

 ウクライナに侵攻したロシアが占拠するザポロジエ原発を含む原子力施設の安全状況については「深刻な懸念」が示されたと強調。核使用や核威嚇は「国際人道法の基本的なルールにそぐわない」と指摘した。

 北朝鮮の核兵器に「懸念」が示され朝鮮半島の「完全かつ検証可能で不可逆的な」非核化を支持するとした。

 軍事政策において核兵器の役割が高まっている点を問題視する意見があったと指摘。核軍縮で進展がないことにも「懸念」の声が上がったと記載した。