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共同通信
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岸田文雄首相は東京電力福島第1原発を20日にも訪問する方向で最終調整に入った。処理水の海洋放出に向け、放射性物質で汚染された水を浄化する多核種除去設備(ALPS)など関連施設を視察する。放出が国際的な安全基準に合致していると強調する狙いがある。政府は8月下旬から9月前半の放出開始を検討。首相は近く、関係閣僚会議を開き、月内にも放出開始の日程を判断する。政府関係者が18日明らかにした。
政府は、廃炉を確実に進め、福島の復興を実現するために処理水放出が欠かせない課題であると国内外に理解を求めている。
処理水は、ALPSで除去できない放射性物質トリチウムの濃度が国の基準値の40分の1未満になるよう海水で希釈。海底トンネルを通じて1キロ沖から放出される。首相は放出の設備や流れに関し担当者から説明を受ける見通しだ。
首相は関係閣僚会議に先立ち、放出に反対姿勢を維持している全国漁業協同組合連合会の会長に直接理解を要請する意向だ。漁業者側の意見も踏まえて具体的な放出日程を検討する。