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共同通信
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【サンパウロ共同】南米エクアドルは22日までに、アマゾン川源流域にあるヤスニ国立公園地区での原油採掘の是非を問う国民投票を実施し、過半数が採掘に反対した。対象地区は先住民が暮らし、原生林など自然が最も保護されている地区だとして環境団体などが国民投票にかけるための署名を集め、憲法裁判所が認めた。
選挙管理当局の21日までの集計によると、開票率約95%で、採掘に反対が59%、賛成が41%。投票結果により、現在採掘している国営石油会社ペトロエクアドルは稼働停止を求められる。
この地区の石油を巡っては2007年、当時の左派コレア政権が油田開発をやめるのと引き換えに、開発した場合に得られる利益の半分に相当する36億ドル(約5240億円)の拠出を国際社会に要請したが、目標額に到達しなかったとして13年に油田開発の再開を発表した。
ペトロエクアドルによると、対象の鉱区では日量5万5千バレルの原油を生産、年間約12億ドルの収入となっている。ラソ現政権も貴重な国家歳入として採掘を推進していた。