ハワイ山火事逃れた「奇跡の家」

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共同通信

 【ホノルル共同】米ハワイ・マウイ島の山火事で壊滅的被害を受けた西部ラハイナで、周囲の家が焼け落ちたのとは対照的に火の手を逃れた住宅が1軒あり、ソーシャルメディアで「奇跡の家」として話題になっている。家主は罪悪感を覚えながらも「地域の復興拠点として役立てたい」と願っている。地元メディアが報じた。

 ラハイナの波打ち際。灰に覆われた住宅街に、赤い屋根と白い壁、深緑のデッキが映える木造住宅がある。「写真を加工したみたいだ」。周りの色合いとのギャップについて、家主トリップ・ミリキンさんは語る。

 この家は、砂糖やパイナップルのプランテーション経営者が1900年代初頭、移民労働者の居宅として建てたハワイ伝統建築の一つとみられる。トリップさんと妻のドラさんがほれ込み、21年に購入した。

 他の家と明暗を分けた一因は、夫婦が約2年かけた家のリフォームだった可能性がある。家の周りにあった植物を岩に置き換えており、専門家は、近隣からの延焼を防ぐ「安全地帯」としての役割を果たしたと指摘。屋根も鉄製に変えていた。