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共同通信
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【ヨハネスブルク共同】西アフリカ・ニジェールで軍部の一部がバズム大統領の追放を宣言したクーデターから26日で1カ月。西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は軍事介入のカードをちらつかせて軍事政権トップのチアニ将軍に権力放棄を求めるが、奏功しない。軍政の監視下にあるバズム氏解放のめどは立たず、手詰まり感も漂う。
「じらし作戦を仕掛けてきている」。ECOWASで軍事介入の検討を担う委員会のムサ委員長は17日、加盟国の軍首脳を前に、軍政に翻弄されている現状への怒りをぶちまけた。
軍政は交渉での解決に前向きな姿勢を表明した直後に、バズム氏を反逆罪で訴追する方針を表明。ECOWAS内の動揺を誘い、有利な条件で交渉に臨める機会を見極めたいとの思いが透ける。
軍政が強気なのは軍事介入のハードルが高いためだ。ロシアと親密なマリなどが、有事にはニジェール側で参戦すると宣言。泥沼化を恐れるアフリカ連合(AU)の平和安全保障理事会は、軍事介入計画に「留意する」とのみ意思表示し、消極姿勢をにじませる。