25日付のニューヨーク・タイムズによると、19日の予備選挙でブルックリン区の12万5000人以上の民主党登録有権者が投票できなかったことを受け、ニューヨーク市のビル・デ・ブラシオ市長は、選挙管理委員会の体制改革を進めることを発表した。
今回の一件は、同区選挙事務所長による手続きの不手際が原因とみられ、同所長は既に除名されている。市には選挙システム改善を命じる権限はないが、市議会に指名された10人の委員から構成される選挙管理委員会改革のため、調査と分析に150万ドル、雇用に1000万ドル、そのほかに850万ドルの合計2000万ドル(約22億円)を市の予算から負担するという。
改革実現には、6月1日までに同委員会の合意を得ることが必要となるが、合意した場合、直近の選挙からコンサルタントが調査を行い、システムの問題点に沿った改革が計画される。
市長は、「時代遅れな選挙システムが原因で、有権者の投票権を奪うわけにはいかない」と述べた。
市の選挙システムの機能不全はこれまでも指摘されており、市長が市政監督官を務めていた2010年には、選挙当日に20万もの票が紛失し1カ月後に職員が気づくという失態により、捜査が進められた。また、定刻に開場されない投票所、投票機の故障、不慣れな投票所職員などについての苦情が報告されている。