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共同通信
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26人が犠牲になった2021年12月の大阪・北新地ビル放火殺人事件で、自らも死亡した谷本盛雄容疑者=当時(61)=の遺骨が1日、前科のある人の更生支援や野宿者の生活立て直し活動に取り組むメダデ教会(大阪市西成区)の西田好子牧師(73)に引き取られ、教会に安置された。遺骨はこれまで市立北斎場が保管していた。
教会で納骨の儀式があり、信者ら約20人が出席した。谷本容疑者の写真とともに卓上に置いた骨つぼに向けて西田牧師が死後洗礼を授け、聖餐式を執り行った。「自分のやった罪の重さはしっかり受け止めよ。それでも、あなたの人生はつらかったねと哀れんでくださる方もいることを教えたかった」と語りかけ、信者らと賛美歌を歌った。
容疑者は過去に長男への殺人未遂事件を起こし服役。出所後、再就職を試みたが「面接で良いところまで進んでもネット検索で前科が分かり断られてしまう」と周囲にこぼしていた。大阪府警は、孤独や生活苦で自暴自棄になって自殺願望を持ち、放火事件を起こしたとの見方を示している。