旧統一教会の解散請求検討

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共同通信
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の本部が入るビル=昨年9月、東京都渋谷区

 政府が宗教法人法に基づく世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への質問権行使に区切りを付け、解散命令請求に向けて検討を進めることが3日、政府関係者への取材で分かった。これまでに収集した資料や被害者証言などから請求の要件を満たすと判断すれば、早ければ10月に宗教法人審議会を開いた上で東京地裁に請求する。ただ政府内に慎重意見があり、証拠を精査して見極める。

 文化庁は解散命令につながる法令違反などが疑われるとして昨年11月以降、旧統一教会に対して質問権を計7回行使。組織運営や財産・収支、教団の法的責任を認めた民事判決、教団本部がある韓国への送金などについて報告を求めた。質問は少なくとも計600項目に上る。

 宗教法人法は「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」があった場合、所轄庁などの請求によって裁判所が解散を命じることができると規定。 旧統一教会側は、教団幹部が刑事事件に問われた例はなく、民法の不法行為は解散命令事由の法令違反に当たらず、質問権行使は違法と主張している。