損保ジャパンに9月中旬立ち入り

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共同通信
損害保険ジャパンと中古車販売大手ビッグモーターの看板

 中古車販売大手ビッグモーター(東京)による自動車保険の保険金不正請求問題で、金融庁が同社と損害保険ジャパンに対し、9月中旬をめどに立ち入り検査する方針を固めたことが4日、分かった。両社の癒着の構図に照準を定め、出向者の役割や不正請求、保険代理店業務の実態を解明する。保険契約者の保護に問題があれば、業務改善命令などの処分を出す。

 損保ジャパンに対しては、事故車両修理のあっせん再開の経緯や不正を早期に察知できなかったのかを対象に、顧客の利益よりも自社の利益を優先するような企業体質の問題の有無を調べる。経営陣の責任が焦点だ。検査の過程で必要が出てくれば、親会社のSOMPOホールディングス(HD)にも立ち入り検査する可能性がある。

 損保ジャパンの白川儀一社長は昨年7月の役員会議で、不正の可能性を認識しながらも事故車両のあっせん再開を促していた。SOMPOHDの桜田謙悟会長は、損保ジャパンの取締役を兼ねており、一連の問題をどの程度把握していたのかも注目される。