京アニ放火殺人、初公判

09/04/2023

　36人が死亡し、32人が重軽傷を負った2019年7月の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人罪などに問われた無職青葉真司被告（45）の裁判員裁判初公判が5日、京都地裁（増田啓祐裁判長）で開かれる。

　主な争点は刑事責任能力の有無や程度。弁護側は被告が事件当時、心神喪失や耗弱の状態だったとして無罪や刑の減軽を求めるとみられる。検察側は完全責任能力があったと主張する見通し。

　平成以降最多の犠牲者を出した殺人事件は、発生から4年余りを経て解明に向けた審理が始まる。公判は来年1月25日の判決まで予備日を除き24回開かれる。

　青葉被告も重度のやけどを負い、治療を経て20年5月に逮捕された。京アニに複数の小説を応募したことがあり、捜査段階で動機について「京アニに小説を盗まれた」などと供述した。

　京都地検は精神状態を調べる鑑定留置を実施し20年12月に起訴した。その後、弁護側の請求に基づく精神鑑定も行われた。プライバシー保護のため一部の被害者は匿名で審理される。