スト影響、ベネチア映画祭に

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共同通信
レッドカーペットで撮影に応じるマッツ・ミケルセンさん(右)ら=1日、イタリア・ベネチア(ゲッティ=共同)

 長期化する全米脚本家組合と全米映画俳優組合のストの影響が、イタリアで開催中のベネチア国際映画祭にも及び、著名なハリウッドスターの参加見送りが相次いでいる。

 「ストの影響はもちろん感じられるだろう。非常に重要な俳優たちが欠席することになるからだ」。映画祭のディレクター、アルベルト・バルベラさんは開幕初日の記者会見で、こう話した。

 ストは、動画配信サービスの普及による「構造変化」に対応した報酬の支払いやAIの扱いが主な争点。脚本家組合は5月、俳優組合は7月にストに踏み切った。

 同映画祭では、当初オープニングに予定されていた米国の作品が「製作側の決定」により出品されなくなり、急きょ変更。コンペティション部門の出品作「マエストロ」の監督と主演を務めたブラッドリー・クーパーさんや、別の作品に主演したエマ・ストーンさんらも姿を見せなかった。

 コンペ部門の審査員長デイミアン・チャゼル監督は、ストのロゴ入りTシャツを着てバルベラさんと共に会見に臨み、こう語った。「ハリウッドの脚本家や俳優らにとって困難な時代だ」

7月、米ロサンゼルスで行進する全米映画俳優組合の幹部ら(ロイター=共同)