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共同通信
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三菱重工業は7日、日本初の月面着陸を目指す探査機「SLIM(スリム)」などを載せたH2Aロケット47号機を種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げた。天体や高温ガスが出すエックス線を捉えて、銀河や星の構造を探るための観測衛星「XRISM(クリズム)」も搭載。
国産の大型ロケット打ち上げは、今年3月に新型のH3ロケット1号機が失敗して以降は初めて。8月28日には、上空の強風が原因で直前に中止されていた。
高度約580キロでクリズム、高度約620キロでスリムを順番に分離する計画。スリムは打ち上げから3~4カ月後に月の周回軌道に到着し、4~6カ月後に月面着陸に挑戦する見通し。クリズムは機能調整などをしてから観測を始める。
スリムは月の狙った場所にピンポイントで着陸させる技術実証が目的。カメラで撮影する画像から月の赤道付近にあるクレーターを識別し、着陸地点の情報と照合して誤差を100メートル以内に抑える。重力が大きい天体での無人機着陸は難しく、従来の精度は数キロ~十数キロとされていた。