立民の枝野氏、復権へ地ならし

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共同通信
宮崎市で講演する立憲民主党の枝野前代表=10日

 立憲民主党の枝野幸男前代表が、復権に向けた地ならしを進めている。党の目指す社会像「枝野ビジョン2023」を公表。立憲主義こそ立民の基本理念だとして、結党の原点を重視する姿勢を強調した。泉健太代表の下で党支持率が伸び悩む中、党内では将来の代表選をにらんだ動きではないかとの見方も広がる。

 枝野氏は10日、宮崎市で講演し「政治全体が国民に期待してもらえない。これからの日本の姿を示していないからだ」とビジョン策定の理由を説明した。「自民党は駄目だが、立民に期待しようという声も上がらない」と述べ、立民への危機感もあらわにした。

 「枝野ビジョン2023」では、立憲主義に基づき一人一人を尊重し、健康で文化的な生活を保障することを党の理念に据えた。社会の変化に対応するため(1)公共サービスの充実(2)再分配によるサービスの担い手支援(3)政治の透明化と議会機能の復活―の3本柱を提唱。保育士や介護職員の待遇改善、金融所得課税の強化、一日も早い原発ゼロなども明記した。