中国の国防相、2週間動静不明

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共同通信

 【北京共同】中国の李尚福国防相の動静が2週間伝えられず、不正で調べられているのではないかなどと臆測を呼んでいる。中国では動静が途絶えた秦剛前外相が7月に解任され、汚職疑惑が浮上した軍幹部らが交代したばかり。米国のエマニュエル駐日大使はX(旧ツイッター)への投稿で、異変が続く3期目の習近平指導部を皮肉った。

 李氏は昨年10月の共産党大会を経て中央軍事委員会委員(上将)に昇格し、3月の全国人民代表大会(全人代=国会)で国防相に就任。6月にシンガポールでアジア安全保障会議に出席し、浜田靖一防衛相と会談した。

 8月29日に北京で開かれた「中国アフリカ平和安全フォーラム」に出席し、演説したと国防省が同日発表したのを最後に動静が途絶えた。

 エマニュエル氏は今月8日、秦氏や軍幹部の「失踪」に続き、李氏が「2週間にわたり公の場に姿を見せていない」とXに投稿。「習政権の閣僚らはアガサ・クリスティの小説『そして誰もいなくなった』の登場人物のようになっている」と書き込んだ。