超高級コンドブームの終わり 過剰供給で値下げも

 10日付のウォール・ストリート・ジャーナルによると、マンハッタン区の超高級不動産ブームは終わりつつあるという。
 不安定な世界経済情勢と高級コンドミニアム建築ラッシュによる、かつてないほどの過剰供給とが重なり、同区での超高級コンドミニアムの売れ行きに陰りが見え始めている。テル・アビブ証券取引所の記録によると、同区西57丁目157番地に建つ1004フィート(約306メートル)の超高級コンドミニアムOne57は、全94戸のうち20戸が売れ残っているという。建設業者のエクステル・デベロップメントはことし3月、2013年の販売予定価格から1億6200万ドル(約176億円)も下げた、25億6千万ドル(約2780億円)で売りに出した。
 しかし、同社の場合はOne57を値下げしても売却益が見込まれるというが、ブームに遅れて建築を開始した十数件のほかのプロジェクトでは、予想をはるかに下回る売れ行きや、財政的な問題に直面して深刻な状況に陥っているという。
 ソニー・ビルディングの改装計画やセントラルパーク・サウスの新築計画は、融資がストップしたため見送りとなり、東58丁目の900フィート(約274メートル)のコンドミニアム建設計画は、長期融資の借り入れに失敗し、破産申請を行った。

Shinya Suzuki