放火「良心の呵責あった」

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共同通信
青葉真司被告

 京都アニメーション放火殺人事件の裁判員裁判第6回公判は14日、京都地裁(増田啓祐裁判長)で検察側の被告人質問が始まった。殺人罪などに問われた無職青葉真司被告(45)は、事件直前に現場で放火を実行するかどうか考えた際を振り返り「自分のような悪党でも良心がないわけではない。良心の呵責をどこかで抱えたままでいた」と述べた。公判では被告の責任能力が最大の争点となっている。

 被告の法廷での説明によると、京都市伏見区の京アニ第1スタジオに侵入する前、近くの路地でガソリンをバケツに移し替えた。その後、座り込んで両手を額に当て十数分間、考え事をした。弁護側の質問に「好ましいことではないので、実行するか否か考えた」とする一方、「(京アニが自分の小説を)ぱくったりしていることをやめさせるには、スタジオ一帯をつぶすことをしないと」と考えたと述べた。

 検察側の質問では、2001年に青森県で起きた消費者金融武富士での放火殺人事件や、08年の秋葉原無差別殺傷事件に触れながら、事件の詳細を振り返った。