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共同通信
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国内の6月~7月上旬の気候は地球温暖化の影響で線状降水帯が発生しやすい状態になっており、温暖化がない場合と比べ発生数が約1.5倍に増えていたとの分析を、気象庁気象研究所や東京大などのチームが19日、発表した。7月上旬の九州北部を中心とした大雨の総雨量も16%増えたとしている。
温暖化が起きた今の気候と、起きていない気候をスーパーコンピューターで分析し、集中豪雨や猛暑といった特定の異常気象に温暖化がどう影響したのかを調べた。
6月1日~7月10日の気候条件の場合、線状降水帯の発生総数は8.5回で、温暖化がない場合と比べ約1.5倍と推計された。さらに、九州北部で7月9日午前9時から36時間で降った雨量を分析すると、温暖化の影響がない場合より約16%多い約150ミリと見積もられた。
チームは猛暑への影響も分析した。現在の気候で7月下旬~8月上旬に今年のように暑くなるのは、約60年に1度の確率との結果が得られた。温暖化の影響があってもまれな現象だが、温暖化がなければ確率はほぼ0%だったという。