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共同通信
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【ニューヨーク共同】国連のグテレス事務総長は19日、国連総会一般討論で演説した。グテレス氏は「世界は変わったのに、われわれの組織は変わっていない」と述べ、安全保障理事会の5常任理事国が拒否権を発動できる現状を念頭に国連改革の必要性を訴えた。
グテレス氏は、国連改革にはさまざまな利害関係が絡み合い、容易ではないと認めながらも、実現しなければ国家間の分断がさらに広がるとして「改革するか決裂するかだ」と警告した。各国の指導者には「歩み寄り、平和な未来と繁栄を築く責任がある」と呼びかけた。
今年の夏の平均気温が観測史上最高だったことに触れ、気候変動対策が不十分だとして「全ての指導者が暑さを実感したのか疑問だ」と不満を示した。世界の温室効果ガス排出の約8割を占める20カ国・地域(G20)に主導的役割を果たすよう求めた。
ロシアによるウクライナ侵攻では市民の苦しみを軽減しなければいけないと強調。世界の食料価格安定のため、ロシアが離脱したウクライナ産穀物の輸出合意の立て直しに向けた努力を継続すると語った。