Published by
共同通信
共同通信
【ソウル共同】韓国の尹錫悦大統領が「フェイクニュース対策」を強めている。昨年3月の大統領選で自身に不利な虚偽ニュースを報じたとされる事件が最近明るみに出たこともあり、米ニューヨークで21日「偽ニュース拡散は自由民主主義を脅かす」と演説した。政権側からは「死刑に値する反逆罪」という過激な発言が相次ぎ、野党や市民は懸念を深めている。
検察は9月、大統領選の3日前に尹氏の不正に関する偽の証言を報じたとして、独立系メディア「ニュース打破」を家宅捜索した。僅差で当選した尹氏陣営の関係者は結果を左右しかねない悪質な報道だったと激高した。
今年夏ごろ、サッカーのフランス代表選手が韓国人選手を低評価する日本人記者を冷たくあしらうような映像が拡散し、留飲を下げた韓国人のアクセスが集中した。後に偽の音声と字幕の合成が判明し、技術悪用への危機意識も広がった。
尹氏も21日「人工知能(AI)やデジタルの乱用」による偽ニュース拡散に警鐘を鳴らした。
来年4月に総選挙が行われ、与野党が偽ニュースへの警戒を強める。