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共同通信
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【ウィーン共同】国際原子力機関(IAEA)の総会が25日、オーストリアの首都ウィーンで始まった。東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を巡り、高市早苗科学技術担当相と中国代表が非難の応酬をした。高市氏は8月に「安全性に万全を期した上で」放出を開始したと説明。「IAEAの継続的な関与の下、最後の一滴の海洋放出が終わるまで安全性を確保し続ける」と訴えた。
高市氏に先立ち、中国は演説で「福島の核汚染水の海洋放出は原子力の安全性を巡る大きな問題だ」と主張した。高市氏は演説で、中国の主張は科学的証拠に基づいていないと反論。「IAEAに加盟しながら事実に基づかない発信をし、突出した輸入規制をとっているのは中国だけだ」と述べ、正確な情報発信を中国に求めていく考えを強調した。
IAEAのグロッシ事務局長は、海洋放出に関してIAEAが「独立した監視」を実施していると説明。悪影響が出ないように放出が終わるまで関与を続ける姿勢を示した。「中国の偽情報を信じる人と話をしたことがない」(欧州外交筋)との声もあり、中国の主張が大きく支持を広げる状況ではなさそうだ。