NY市「全市民は、薬物中毒の拮抗薬を」 3時間に1人死亡で市が訴え




NY市
「全市民は、薬物中毒の拮抗薬を」

3時間に1人死亡で市が訴え



ナロキソンの吸引スプレーの使用方法を説明する市役所のビデオ / ニューヨーク市長室の公式X(@NYCMayorsOffice)より=9月17日

 

ニューヨーク市保健局(DOH)のバサン局長は25日、オピオイド中毒による死亡者数が急増し、危機的状況にあるとして、全市民に呼吸を安定させる拮抗薬「ナロキソン(Naloxone、別名ナルカン)」を所持するように訴えた。ナロキソンは無料で入手できて、中毒死の危機にある人を救うことができるためとしている。

薬物過剰摂取による死者は2022年に3000人。前年比12%増で、2000年以来最多を記録した。3時間に1人死亡している計算だ。その80%は合成オピオイド「フェンタニル」が原因。また、60%は家庭の住宅で起きているという。バサン氏は「薬物過剰摂取はいつどこで起おきてもおかしくない。全てのニューヨーカーにナロキソンを持っていてもらいたい」と主張した。

ナロキソンは、オピオイド鎮痛剤や合成オピオイドによる呼吸抑制を拮抗し、呼吸を回復させる。診療所、薬局などで入手可能で、多くの場合無料だ。DOHでは過剰摂取の見分け方やナロキソンの使い方の講習を実施し、参加者にナロキソンのキットを無料配布している。詳しくはhttps://www.nyc.gov/site/doh/health/health-topics/naloxone.page

フェンタニルや動物用鎮痛薬「キシラジン(別名トラン)」の混入を検知するテストストリップを入手することもできる。バサン氏は「薬物は1人で使用しないで」とも話している。市内には監督者がいる薬物自己投与施設が2カ所存在する。連邦政府は違法として閉鎖を求める意向だ。支持者は21年の開設以来、1000人の過剰摂取死を食い止めたとしている。(25日、amニューヨーク)

 

米疾病予防管理センターのプレスリリースよりスクリーンショット。静脈注射タイプもある 。


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