黒海艦隊司令官「健在」

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共同通信

 ロシア国営テレビは27日、ウクライナ軍が死亡を発表したロシア黒海艦隊のビクトル・ソコロフ司令官について、艦隊司令部があるクリミア半島セバストポリで同日、取材に応じてコメントしたとする映像を音声付きで放映した。ソコロフ氏の「健在」を示し、司令部への攻撃による被害の深刻さを打ち消して、影響を最小限にとどめる狙いがあるとみられる。

 これに対し、ウクライナ軍の特殊作戦部隊は26日の発表で、司令部に対する22日の攻撃の死者にソコロフ氏がいるとの情報があるとする一方で「情報は精査中だ」と説明した。遺体の損傷が激しく、全てが特定されていないとしている。

 迷彩服姿のソコロフ氏はテレビカメラの前で「黒海艦隊は与えられた課題を順調に実行している」などと答えた。ニュース番組のアナウンサーは、ソコロフ氏が27日に軍関係のスポーツ団体の行事に出席した際の映像だと説明。ウクライナ側の死亡発表を否定した。

 ロシア国防省系のテレビ「ズベズダ」も同日、複数の記者に囲まれるソコロフ氏の肉声を映像付きで報じていた。