5月31日付のニューヨーク・タイムズによると、ニューヨーク市内で営業するアイスクリームトラックが、熾烈な縄張り争いを繰り広げているという。
「われわれのトラックが入ると、向こうは数台のトラックで囲い込む」と語るのは、「ミスター・ソフティー」のトラックを運営するピーター・ボウジティスさん。特に、人の集まるマンハッタン区ミッドタウンで、「ニューヨーク・アイスクリーム」と競り合いになる。窓ガラスを叩いて威嚇するなど実力行使に出ることもあり、 ミスター・ソフティーは恐れをなし、30~60丁目は、ニューヨーク・アイスクリームの独壇場となっているという。
ニューヨーク・アイスクリームの創業者は、ミッドタウンでミスター・ソフティーのフランチャイズを経営していた。ところが、加盟金や消耗品の価格が上がったことに腹を立てて独立。「マスター・ソフティー」名で営業を始めたが、紛らわしいと裁判沙汰になって名前を変更させられた上、賠償金を支払うことになった。夏の風物詩としての明るいイメージの裏には、このような因縁があったのだ。
市の発行するベンダー許可証では、営業の地域制限はない。ミスター・ソフティーは、「縄張りは街のおきて」として、 当面の間、静観する意向だという。